【徹底比較】日本におけるDX推進の遅れと海外の成功事例

2021年9月3日

全世界的でDXが推進され、効率化・満足度の上昇など、成功事例が聞かれるようになりました。
この社会潮流の中、日本のDX化は海外と比較して遅れていると言われています。

コロナ禍でリモートワークの必要性が叫ばれる中でも、その状況は変わりません。
海外と日本のDXの取り組みを紹介・比較する中で、日本においてDXを推進するために必要な要素が何か、解説します。

1.コロナ禍におけるDX

コロナ禍において、サービス業では対面での接客に抵抗を持つ顧客は少なくありません。
サービス業のみならず、オフィスで働く業種でも、通勤の電車や通行量の増加でコロナ感染を拡大させるのではと外出すること自体に抵抗を持っています。

この風潮の中、出勤せずに自宅で働くことができるリモートワークやサービス業であれば、タブレット端末によるオーダーを取り入れるなど、DXを活用してのコロナ対策推進が重要です。

一方で、東京商工リサーチによると、在宅勤務・リモートワークを新型コロナ以降一度も実施していないと答えた企業は43.8%にのぼります。また、実施していたが現在は取りやめた企業を合わせると61.68%となっています。

社会的にリモートワークの重要性が認知されながら実施率が低い理由は様々です。
例えば、従来紙ベースで業務を行っていたため、デジタル化に対応していない業務が多く、リモートワークによる在宅勤務が非効率である、またはコミュニケーションの必要性から会社への出勤は絶対必要であるという根強い会社への帰属意識などです。

どうすれば、日本においてDXを推進することができるのでしょうか。

2.海外と比較した日本のDX推進の遅れ

スイスのビジネススクールIMDが発表しているデジタル競争力ランキングでは、2019年、日本が23位となっています。韓国が10位、台湾が13位と、アジア圏の中でもデジタル化が遅れている状況が分かります。

世界全体と比較して、日本のDX化、デジタル化が遅れている原因は何でしょう。
主に考えられる原因は3点です。

1つ目は、従来の方法のまま業務をこなし続けている状態になっている点です。

例えばSNS広告です。
SNS広告はターゲットを絞って広告を出すことができるため、効果は高く、費用は安くすることが可能です。従来の新聞などの広告を続けるのは、新しい方法にメリットがあると認識しながら、実際には実践できていない企業も少なくありません。

海外と比較して起業家が少なく、失敗に不寛容な風土も影響しているでしょう。

2つ目はDX化による費用の増加です。
DX化は、企業の風土・根本を、複数のIT技術を用いて組み替えていく大規模な事例が多いです。そのため、莫大なコストが必要であるという認識が広まっており、DX化に消極的となっています。

また、内部にIT専門の部門が存在せず、実際に何ができるのか、どの程度のコストがかかるのか把握していない点も問題です。

3つ目は、従来のシステムが肥大化・複雑化しすぎている点です。
現代の企業が使用しているシステムは導入から時間が経過しています。
運用・保守・更新の中で、システムは徐々に肥大化・複雑化しています。

DX化によるシステムの更新を図ると、複数の部署でマニュアルの変更、新旧システムの対応に追われることになります。既に人員不足が叫ばれる現状で、DX化による新たな業務の追加を敬遠する動きもDX化を阻んでいます。

3.デジタル先進地域へと進化を遂げた「深セン」

デジタル先進地域として、中国にある深センという地域が世界中から注目を浴びています。

かつて「世界の工場」と呼ばれた深センですが、現在では「中国のシリコンバレー」と評され、驚くべきスピードで次々とイノベーションを起こす製品を生み出しています。

深センには数多くの世界的なリーディングカンパニーが本社を構えており、例えばネットワーク・ソリューション大手のZTE(中興通訊)、インターネット事業を手掛けるテンセント(騰訊)、中国のスマートフォンのシェアでトップクラスを誇るファーウェイ(華為技術)も深センに拠点を置いている企業です。

これらの深センの企業がデジタル分野での成長をさらに加速させ、さまざまなDX成功事例を次々と創出しているのです。

4.DX推進のために必要な要素

上記問題を解決し、DX化を促進するために必要なものは、DXに対する正しい知識とDX化について相談可能な信頼できる人材です。
デジタル化が遅れた日本の問題点は、全てDXに対する正しい認識で解消可能なものです。

1つ目の従来の方法で業務をこなし続けていることについては、DXを導入することで、効率が上がり、コストが下がる認識を持つことが必要です。

例えば、埼玉高速鉄道に設置されたスクリーンには、カメラ・IoT機器を設置し、社内の温湿度、乗客の性別や年代をAIによって判定し、最適な広告を提供しています。DX化を果たした広告機能を知ることで、自社にとって適切な広告は何かを検討するスタートラインに立つことができます。

参考:日本経済新聞「埼玉高速鉄道、AIで車内の映像広告効果的に」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52678160X21C19A1L72000/

2つ目のDX導入のコストについては、「DXは企業体質の基礎から更新することが最終目標であるが、部分的なDXも有効」という認識が必要です。

ハードウェア・ソフトウェア設計のASTINAは、「中小工場向け作業自動化DXソリューション OKIKAE」を提供しています。最小導入費用は490万円からで、オプションも個別に選択することができます。

OKIKAEの事例は工場向けのソリューションですが、データ管理手法や顧客管理といった改善であれば、より低予算でDX化を検討することができます。

3つ目の従来のシステム肥大化・複雑化については、現場のDXに対する不安・新しい仕事への不満を解消することが必要です。

食品製造業の株式会社虎昭産業では、工場へのDX技術導入の際、従来紙に記帳していたものをタブレットに変更するペーパーレス化に不安を覚えていました。

そこで実用化に向けて、現場に運用する前に社内で研修を行い、タブレット端末にする場合の使用方法、及び得られるメリットを丁寧に教えたようです。結果として、現場でのタブレットの運用は問題なく、逆に効率化したと好評を得たという成功事例もあります。 

5.まとめ

上記の例のように、DX化を阻んでいる現況に対して、DX化への正しい知識を提供すれば問題が解消できることが分かります。

DXを導入することでどのようなメリットが得られるのか、どの程度のコストがかかるのか、現場では何に不安を感じているのか、それぞれ認識して対処することが必要です。このため経営者、またはDXを促進する部署の担当者がDXに対する深い知識を得ることが必要です。

IngDan Academyでは、DXに対する知識を習得するための動画コンテンツを配信しています。先進的な事例も紹介しているので、自社に適用可能な事例も見つかります。試しに視聴してみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール
数年前、アジアのシリコンバレーと呼ばれる深センでは、日本企業が深セン企業を視察するブームが起こっていました。その時、私は同時通訳として、日本企業視察団の人たちと一緒に様々なスタートアップや起業事例に触れる機会に恵まれました。大手日系企業で働く中で、数々の企業の創新創業のパワーに感動して、深センに進出。現在は、IngDanアカデミー編集長として、深センを拠点に、中国パートナー企業の開拓・関係強化、調査やリサーチ、最新DX情報の発信を行っています。

聂 宏静(Nie Hongjing)
IngDanアカデミー編集長
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