変化する深センの交通事情【完全自動運転のバス・タクシー】

2021年10月4日

2021年現在、世界中で自動運転に関連するスタートアップ企業が起こり、技術革新が進んでいます。
自動運転の開発が進み、普及が進むとどういった効果を享受し、逆にどういった問題が生じるでしょうか。

「自動運転車の普及によるメリット」
・交通事故の減少
・渋滞ストレスからの解放
・物流網の人手不足の解消
・高齢者の移動手段になる

「自動運転車の普及によるデメリット」
・事故発生時の責任分界点の明確化
・ハッカーによる攻撃を受ける可能性
・自動車産業の就業人口の減少

上記のように、自動運転車が普及することで特に人流・物流網で革新的な効率化が図られます。

一方でデメリットも存在しておりその解決が急がれます。
自動運転技術は人の命に直結するものですから、問題が発生してから解決方法を協議するより、導入前に事前に認識し、事前に問題への対応を考えるのが最良です。
海外の事例を研究することで、技術の導入前に問題点を把握することができます。

1.世界的に進行する完全自動運転

世界中で自動運転開発の波が押し寄せています。
例を挙げますと、アメリカコロラド州では自動運転EVバスの運行をスタートしました。
9台の自動運転EVバスを大学のキャンパスや陸上競技場、ダウンタウンなどを結び、大学に通う学生・教職員・一般客の利用を想定しています。
コロラド州ではその後も第2、第3と自動運転EVバスの運行都市を拡大する予定です。

ドイツでは、2021年5月に、特定条件下で全ての運転動作をシステムが行うレベル4「高度運転自動化」の社会実装を可能にする法案が可決されました。2022年にも法施行される予定で、自動運転の普及の大きな壁となる法整備の先駆けになりそうです。

そして日本においても、横浜市内で大型路線バスが自動運転で実証実験を開始しています。
相鉄バス・群馬大学・日本モビリティが協働で9月20日~9月24日の5日間、横浜市内の公道で実際に運行する路線バスで行っています。
今回の実証実験は運転士を配置した「レベル2」の実証実験ではありますが、さらに実験を重ねて、将来的には「レベル4」の自動運転で営業運行を目指すようです。
これらの例のとおり、世界中で自動運転開発の潮流が起こっています。

2.深センで実用化が進むautoXの自動運転タクシー

隣国中国の深センでは自動運転がさらに進化しており、2020年12月4日から「レベル5」の完全自動運転タクシーが運行を開始しています。
深センでは、autoX社が完全自動運転のAIタクシーを一般客向けに営業を開始しています。
通常のミニバンに360度カメラ・LiDAR(光による測距・検知機)・ミリ波レーダー・慣性計測・GPSを取り付けて完全無人運転を実現しています。

実際に運行する様子の動画も公開されており、自転車が横切る際に止まる様子、路駐車両を避ける様子、横断歩道で一時停止する様子などが記録されています。
自動運転タクシーの運行状況を見ると、人間の運転となんら変わりなく、自動運転車がこれから普及する未来が垣間見えます。

参考:中国 深センautoXの自動運転タクシー
https://36kr.jp/142727/

3.自動運転バスの登場

深セン市では、自動運転バスも運行を開始しています。
深セン市坪山区が、自動運転バスに乗車することができる定期券の発行を受け付けており、定期券を発行すれば全長5キロの経路で坪山駅周辺を結ぶ自動運転バスに無料で乗車することができます。

経路内には、住宅地・学校・劇場・公園・企業街があり、小さな範囲を周遊する、シャトルバスの需要が高まっていました。
利用されている自動運転バスには複数のセンサーが設置されており、車体周辺の全方位感知、特に前方は200m先までの感知を達成しています。

時速20~50kmで運行し、歩行者や車との衝突回避を始めとして、一般的な運転は全て自動で行います。
実際、運転席に乗車するのは運転手でなく、稼働状況をモニタリングするセキュリティスタッフです。
将来的に運転席も廃止される未来が垣間見えます。

小さな範囲を周遊する自動運転バスは日本においても需要が見込まれています。
例えば高齢化が進む中山間地域では、日常生活の足として車が必要です。
しかし高齢化で車を手放さなければならない人が増えています。
自動運転バスは中山間地域の集落存続に寄与する可能性があります。

参考「深圳市が初の自動運転バス定期券を発行」
https://36kr.jp/112409/

4.まとめ

自動運転は中山間地域のようなミクロな視点でも、世界の物流網のようなマクロの視点でも変革をもたらす技術です。
世界中の企業は自動運転の先駆者となるべく開発を進めていますが、現時点では中国が一歩リードしているといえるでしょう。

ただ、後を追う企業は先行する事例を研究することで、短い期間・費用で開発を勧められる可能性を持っています。先行事例から学ぶメリットは大きいです。
IngdanAcademyでは、自動運転で先行する深センの企業の事例を多く取り上げ、企業のノウハウや知識を事例研究の形で提供しています。
先進事例を研究して見習う点、改善点を探してみて下さい。

記事監修者
数年前、アジアのシリコンバレーと呼ばれる深センでは、日本企業が深セン企業を視察するブームが起こっていました。その時、私は同時通訳として、日本企業視察団の人たちと一緒に様々なスタートアップや起業事例に触れる機会に恵まれました。大手日系企業で働く中で、数々の企業の創新創業のパワーに感動して、深センに進出。現在は、IngDanアカデミー編集長として、深センを拠点に、中国パートナー企業の開拓・関係強化、調査やリサーチ、最新DX情報の発信を行っています。

聂 宏静(Nie Hongjing)
IngDanアカデミー編集長
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